韓国で暮らしてみる。
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平壌冷麺と万景峰号の思い出
2013年 07月 15日 (月) 22:13 | 編集
それは7才の時。
朝鮮学校に通っていた私は、名古屋港に停泊中だった万景峰号の見学に行った。

乗り込む前に見た巨大な船体と、狭い船内の通路を歩きながら、
船員さんに機械室のような所を見せてもらった記憶がおぼろげにある。

そしてしっかり覚えているのが、船内の食堂で食べた冷麺のこと。

今では考えられないがその頃私は食が細く、石けん箱のような大きさの弁当を食べるのに昼休みだけでは足りなかった程だった。

そんな7才の私が、万景峰号で冷麺を2杯食べた。
3杯目をおかわりしようと言う所で、先生の声がした。

食事の時間は終わりだと言うのだ。
「やだー!もっと食べる!今おかわりするところなのに!」
これも今では考えられないが、大人しい優等生だった私は珍しく先生に駄々をこねた。

大人になって、友人にこの話をすると、
「在日コリアンを子供の内から洗脳しておいて取り込もうっていう北朝鮮の策略なんじゃない?
冷麺になんか中毒性のものが入ってたんじゃない?」と冗談を言われたが、
本当にもしかしたらそうかも知れないと少し思ってしまう程異常においしかった。

それから二十数年後、「万景峰号で食べた異常にうまい冷麺」と私は再会する。
それは乙支路3街の乙支麺屋(ウルチミョノク)。

20130618_을지면옥_가게3

漠然と「異常にうまかった」という記憶しか無かったのが、
乙支麺屋の冷麺を食べて、「あの時食べたのはこの味だ」と確信した。

刺激に慣れた韓国の若者が「水みたい」と見向きもしない薄い薄いスープ。
でも水なんかじゃない。
味が薄いからこそ、しっかり感じる肉の旨味。
この店はスープを凍らせないから、薄くても味がちゃんとわかるのだ。

そば粉で打った極細麺。
表面がざらざらで、スープがよく絡む。

20130618_을지면옥_음식

万景峰号で食べたその味だった。

店主は戦時中の北からの避難民。
客の大半はおじいさん達だ。

おじいさん達も北出身なのか、ただ冷麺が老人好みの味なのかはわからない。

店主やおじいさん達や、自分の子供時代に思いを馳せていると、
感慨深すぎて、味を噛み締めながらしか食べられない。
7才の時は、無心でずるずるすすった冷麺なのに。

思い出の味を味わいに来てるという意味では、
私もおじいさん達も同じだ。

思い出の味は、いつまで経っても色褪せない。





※画像は借り物です。画像中に出所記載。
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噂のグルメを求めて仁川へ
2013年 05月 18日 (土) 21:46 | 編集
新道林駅で2号線から1号線に乗り換える。

迷うことなく仁川行きのホームへ向かう。

電車が発車し、既視感のある風景が次々に車窓の外を通り過ぎていく。

そう、私は昨日も仁川に行った。



よく晴れた祝日、仁川の中華街でのんびり散策し、
野良猫と戯れ、地元の名店で昔ながらの酢豚と炸醤麺に舌鼓を打ち、
高台にある公園で、しばし食後の休息を取った。

穏やかな休日。

しかし、私の小旅行の目的は他にあった。

少しお腹に余裕ができた所で、既に日は傾きはじめていた。

満を持してその場所へ向かう。



タクシーを拾い、目的地の近くで降りた。

初めて来た場所なのに、私はすぐにそこだとわかった。



逸る心を抑え、その店に少しづつ近づいていく。

店の前まで来たが、目的のものが見当たらない。

「ホットドック(日本で言うアメリカンドッグ)ありますか?」


「今日の分は売り切れました」


がーん

私を可哀想に思った店主の夫が、陳列ケースにあったもちドーナツをひとつくれた。
それを食べたことで、更にその店のアメリカンドッグへの期待が高まった。



そうして、私は今日も地下鉄とバスを乗り継いで約1時間半、
再びこの地にやってきたのだった。

そこは仁川広域市南区ヨンヒョン洞 土地金庫(トジクムゴ)市場
市場の名前にしては変わった名前。

その昔、今仁川広域市となっている土地は、ほとんど干潟だった。
そこを埋め立てて新しく街にした際に、その土地を管理していた機関の名前が土地金庫。
そしてその土地金庫が、市場のある一帯にあったらしく、
今では土地金庫はなくなったけど、その一帯を土地金庫と呼ぶそうになったそうな。


とにかく、私は昨日と同じ道順でその店へ向かった。

店が近づくにつれて大きくなる期待感と不安感!



ショーケースにアメリカンドッグは、、、ない!
蘇る昨日の脱力感!虚無感!


店の娘さんが、あ、昨日はどうもといった表情!


アメリカンドッグ今すぐ揚げます!と揚げる前のアメリカンドッグを見せてくれた!
ほっと一安心。



粉を水で溶いて作った衣ではなく、他のドーナツと同じ生地を
ソーセージの周りに巻きつけた、従来と違う製法のアメリカンドッグ。

揚げる時も、均等に火が通るように休むことなくかき回し続けていた。

そして、、これが、、、念願の!!


IMG113.jpg


アメリカンドッグ!


従来のアメリカンドッグと比べて、心なしかスマートなのがわかると思う。
これが液状の衣ではなく、熟成させた生地で作った証拠である。


2日連続で来た甲斐があり、揚げたてにありつけた!

一口頬張る。

月並みな表現だけど、表面はサクッ!中はフワッ!全く油っこくなく、ほんのり甘い。
ソーセージも、韓国のソーセージの中ではおいしい部類に入るものだった。

2日連続、ソウルからはるばる行くだけの価値はあった!
日本で食べたものも含めて、小さい頃から食べてきたアメリカンドッグの中で、
間違いなく一番おいしい。

アメリカンドッグ、屋台などで売られる所謂ジャンクな食べ物。
しかし、その店のアメリカンドッグはそれ以上だった。

どんな料理でも、素材と調理法にこだわって丹精込めて作ったなら
一流の料理になりうると常々思う。

遠いけど、また食べに行きたい。
自分が、2日連続で一時間半かけてアメリカンドッグを食べに行くバカで、本当によかった。



この後、仁川港国際旅客ターミナルや、魚市場に行った。
仁川はソウルに比べてゆるい空気が流れる街だった。

また次にそのことを書こうと思う。


チンジュドーナツ(진주도너츠) tel 032-882-2111
仁川広域市南区ヨンヒョン洞(인천광역시 남구 용현동)
トジクムゴ(토지금고)市場 内
※韓国のテレビ番組「生活の達人」380回で紹介されたお店。
トガニタンと母の牛すじテロ
2012年 04月 18日 (水) 21:32 | 編集
日曜日の午後、家でテレビを見ていると、
急に目の前に現れた手によって、有無を言わさず口の中に何かをねじ込まれる。
すると!!・・・・おいしい

母はトガニタン(牛すじスープ)を作るとき、
いつもこうやって下茹でした牛すじに、ちょっと塩を付けたやつを、
私と弟の口に何も言わずにねじ込んでくるのだ。

そして味をしめた私は、牛すじテロリスト(母)がベランダで洗濯などに興じてる隙に、
アジト(台所)に忍び込み、放置された牛すじを更につまむ。

「あんたちょっとにしときなさいよー。汁の分が無くなるでしょうが!」

これが、私のトガニタンにまつわるノスタルジー。
でも、母はこれ今だにやってくる。

キムチを漬ける時も、ヤンニョムを絡ませたばっかのキムチを、
真っ赤っかの手でねじ込んできて、「どう?」と。
「うーん去年よりはいい出来なんじゃない?ちょっと塩辛いような気がするけど、
漬かってくうちになじむでしょ」と、キムチソムリエな私。

友人に「今年のキムチはうまいよ」と言いながらお裾分けした時、
「なんかその言い方、ボジョレーみたいだね」と言われた。
そうです、ボジョレーと同じくらい、毎年味が違うのだ!
白菜の水分量とかね、前と違うコチュカルを使ってみたりとかね、
今年はリンゴじゃなくて梨を入れてみましたとかね。


そんな風に、私は在日2世の母の韓国料理を食べながら育った。
母は食い道楽の祖父から、味を教えてもらったらしい。
祖父は「貧乏でも食事は豊かに。貧しい食事では心が貧しくなるから」と言って、
生活が苦しい中でも、おいしいものを食べさせてくれたらしい。

その教えは母から私へ、確実に引き継がれている。
その味覚と一緒に。

私の家庭は、在日の家庭の中でもどうやら韓国料理をよく食べる家らしい。
韓国に来てみて、特に今の下宿のおばさんの料理を毎日食べていて、
「これって韓国料理だったんだ!」って驚くことが多い。


先に上げたトガニタン、ポッサム、プゴクッ、ミョルチポックム、
オイムチム、カジネンチェ、ケランチム・・・

これらは私は韓国に興味を持つまで名前も知らなかったし、
韓国料理かどうかも曖昧なまま食べていた。
自分の家の食卓が、こんなに韓国に根付いたものだったなんて、
韓国に来ていなければ私は知らないままだった。

私は母方の祖父には会った事はないけれど、
その教えと味覚は確かに私の中にある。
歌を忘れても、言葉を忘れても、最後に残るもの。
味覚や食文化ってそういうものかもしれない。


話はトガニタンに戻り、
この間行った創業50年のトガニタン専門店「テソンチプ」
スクリーンショット(2012-04-18 21.18.30)

スクリーンショット(2012-04-18 21.18.06)
※写真を撮り忘れたのでお借りしましたよ。

きれいな白濁スープにすじ肉とねぎのみ。
味付けはされていないので、テーブルにある塩や胡椒で味をつける。
何の臭みもなく、上品な味。

専門店だけあって、お母さんのトガニタンとはまったく上品さが違うけど、
ニンニクたっぷりで、糸こんにゃくとか大根も入った、
ちょっとジャンクなお母さんのトガニタンが食べたくなった。

お店には、スユクもあった。もちろん牛スジのスユク。
お母さんの牛すじテロに遭うたびに、「スープにするよりそのまま塩つけて食べたい」
と、何十年も密かに思い続けていた私だけど、
そういう料理が実際に存在することを知って、やっぱりね!と納得した。

今度はテソンチプでスユクも食べたい。

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